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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第137号       ’02−05−17★

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     ピアノが好き

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●小学生低学年の頃、

 

しつこい中耳炎に悩まされました。 聴覚の劣化を恐れた両親の考えで

リハビリ?のため、ピアノを習っていた姉について行かされることに。

 

音楽目的でないレッスンだから、喜んで練習した覚えは無く、もちろん

うまくもならず、、そのうちに「学童は疎開!」、で解放。 助かった!

 

しかしその残存効果か、遙か後年、1階にいて4階の異常音を感じ取る

(第7号)敏感人間になりました。 また、聴くだけですが、音楽好き。

 

 

中でも(これまた残存効果か)ピアノ曲が好き。 いや、<好き>以上、

<必要>なのです。 酒やタバコといったストレス解放手段には不適な

体質、なのに営むのは感度を要する商売、サーモスタット屋。 つい

 

ピリピリしがちになるが、それじゃマネジメントは務まらぬ。 いっそ

機械的に心を揉みほぐしてしまえ、、で、傍目には<遊び>でも、本人

としては命がけ?のHi−Fi道。

 

尾を引く音より、ピアノのようにポン!とはじけて減衰の速い音の方が

ほぐし効果が高い、と知ってますますピアノ派。 だが、クラシックは

サワリまでが長すぎて眠気が差し、ジャズではかえって心が騒ぐ、、

 

という時、幸運にも<ラグタイム>のリバイバルに遭遇。 それは百年

前の僅か20年間アメリカを風靡したのち忽然と姿を消し、以後半世紀、

埃に埋もれていたピアノ音楽の一形式。 バンド演奏のもあるが、

 

ピアノ・ソロが本格。 単純明快なメロディと強いシンコペーションが

特徴的で、ジャズと違うのは即興抜き、譜面通りの演奏。 1曲は数分、

流し聴きに好適。 カタログ上<クラシック>なので、体裁も宜しい。

 

今は譜も読めない、もちろん弾けない私ですが、本当に暇になったその

時は<自学自習>しようと、愛機ヤマハU7のメンテは万全、、 え?

弾かずに何で<愛機>?  私が弾けなくとも、

 

<ピアノコーダー>なる装置が<生演奏>してくれるからです。 ラグ

タイムのレコード盤は数少なく、探し回ってついに博物館的、<ピアノ・

ロール>に到達。 それを聴くには<自動>ピアノが必要。 すべては

ラグのため、、 それほど魅力のあるものなのに、

 

*   *

 

ラグタイムを知る人は少なく、語る人はさらに希。 だから先夜、例の

インタビュー番組 Inside the Actor's Studioで、「好きな音は?」に

リチャード・ドレイファスが「ラグタイム!」と答えたのには大感激。

 

ちなみに、彼の<嫌いな音>はエレキ・ギター、<ウンザリするの>は

ロックンロール。 おお、いよいよ波動ピッタリ。 ついでながら

 

ロックについて、「、、基本的には、、うるさいだけのもの、、人間を

、、興奮させるだけでしょう。 音楽には精神的な深みがなければ、、」

はアシュケナージの言葉。 それを読んだのは

 

<大ピアニストがあなたに伝えたいこと>なる本(千蔵八郎著 春秋社)

で。 前号の<S君>を連想しましたよ。 彼は金型の勉強よりエレキ・

ギターを選び、昼休みも♪デケデケデケ、、

 

1日サボっても指の動きが悪くなる、、とか言いながら。 でも永続き

せずに終わり、私の目には人生を無駄にしただけに見えましたが、練習

の大切さを認識していた点S君は(これもその本にある)

 

「もし私が1日練習しなかったとしたら、それで心がとがめるのは自分

である。 2日練習しなかったら、コーチに知れる。 3日しなかった

ら、すべての聴衆が知ることになる」のルビンシテイン並み、でした。

 

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怠けていて大家になれるものでないことは、<伝えたいこと>の多くが

練習についてのアドバイスであることからも分かります。 思考技法に

そのまま通用することでもあるので、いくつか拝借しましょう。

 

 

▼イグナーツィ・ヤン・パデレフスキ (p.40)

 「ピアノを学ぶものは鍵盤上で時間をつぶし、奏法については少しも

 研究しない。 才能があると思われる生徒は、曲を楽しんで弾くこと

 ばかりを考え、、、その結果は悲惨である、、で、どう勉強すべきか。

 

 その勉強は組織立ったものでなければならない、、、進歩を望むなら、

 毎日の練習にも、将来はこうなりたいという抱負を持ち、練習のやり

 方についての図式、具体的なプランを持たなければならない、、」

 

▲職場にも<結果は悲惨>の人はよくいます。 考えて勉強しなくちゃ。

 それにしても、狙いと方法を明確に、とはまことにDA的、ですな。

 

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▼テレサ・カレーニョ (p.36)

 「ケアレス・ミスで心を傷めている人に、私はゆっくりしたテンポで

 練習するように提言したい。 どんなに細かいところにも十分に注意

 して練習することです。、、、 ケアレス・ミスというのは個人的な

 問題で、弾いている人が、先へ進む前に、その部分を一つ一つ正確に

 弾いているかどうかを確認する注意力の問題です。」

 

▲判断ミスを犯す傾向のある人も同じこと。 <注意力の問題>を解消

 するにはツールの活用!  Rational Process シートで<一つ一つ>。

 

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▼アルフレッド・コルトー (p.70)

 「ピアノ教育における基本原理の中で、、、考えておいてほしいこと

 がある。 即ち手の形によって鍵盤への適合の仕方が明らかに異なり

 うるということ、、、むしろ異なるべきだといわなければなるまい。

 手にはいろいろと異なったタイプがあり、、、」

 

▲人間は千差万別、状況は千変万化。 その人のその問題にその技法を

 どう活用するか、は一概でない。 「おたすけマン」に訊きたまえ、、

 

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▼フェルッチョ・ブゾーニ (p.46)

 「曲の難しいところを、何とか克服しようと思わないことが大切、、、

 うまく弾けないのは、あなたの練習の仕方が悪かったからである。、、

 しばらくたって、もしあなたの練習方法が変わったら、改めその曲を

 やり直してみるといい。 その曲をはじめて弾くという感じで、、、」

 

▲うまくワーク・シートに書き込めない時は一旦やめ、翌日やり直そう。

 前日なぜ書き込めなかったか、不思議なくらいスラスラ行くものです。

 

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▼レオン・フライシャー (p.130)

 「、、、最高の自由は訓練から生まれます、、、そこには彼らの経験

 に即してのある種の形というものがなければなりません。、、、自由

 気ままで、無秩序な衝動といったものだけではだめなのです。」

 「ピアニストたちの練習は、学習者が初めて曲を勉強するための練習

 とは根本的に違う。 弾けるようになるための練習ではなく、自身の

 解釈を聴衆に訴えるため、、の細かいテクニックを検討していく、、」

 

▲「問題解決の毎日、、」がマンネリ化すれば、<無秩序な衝動>同然。

 人を動かす仕事は<訴える>仕事でもあり、<ある種の形>を用いて

 ポイントを衝くのが効果的です。

 

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▼エミール・フォン・ザウアー (p.44)

 「1日か2日練習を怠ったあと多くの時間をかけて練習しても、取り

 返すことはできない、、、取り戻すのに数日間を要することになる。」

 

▲S君やルビンシテインだけじゃなかった。 練習を1日も欠かさない

 のがプロ。 それを苦労だ、苦痛だと感じるなら、不適材?不適所?

 

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▼ピーター・ゼルキン (p.180)

 「私は音楽で過ごす時間を投資とは考えていません。 そのプロセス

 全体に価値を認めている。 私が練習するのは、練習したいからする

 だけのことです。 練習からいかに多くのことを学び取るか、という

 のが演奏家の姿勢といえます。」

 「練習は、一日を過ごすには一番平和な方法だと思います。 しかし

 それが負担となったり、自分の気持ちが音楽と離れたところにあると

 感じられたり、練習が機械的なものになっていたら、私はすぐ練習を

 やめるでしょう。 いつやめるかを知ることもまた勉強の一つ、、、」

 

▲好きでする練習、そこからさらに多くを学び取る、のがプロ。 なら、

 あなたも知恵を絞る練習が好き、そうしながらさらに前進、、、

 

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▼ミッシャ・ディヒター (p.172)

 「家にいるときは、一日に何時間も練習しますよ、、、朝の7時には

 起き、、8時にはピアノに向かっています。そうするといつのまにか

 、、もう夕食の時間なんですね。 それでも私には楽しいんですよ。

 、、、練習していると、次から次へとなにかが生まれてくるんです。」

 

▲パチプロは<休み>の日、何して過ごす? 自室にこもってパチンコ

 はじいていましたな、TVドキュメントでは。 これぞプロ根性、、、 

 

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▼ブルーノ=レオナルド・ゲルバー (p.162)

 「、、、日本の若いピアニストたちは、テクニックはあるが、内面を

 表現することが不器用。 日本人は感じていることと考えていること、

 そして表現することが必ずしも一致しないでしょう? 日本人の美点

 でもあるんですけどね。」

 「、、、自分の演奏を客観的に聴くことはとても重要。 私はすべて

 の演奏会を録音します。 後で譜面を見ながらチェックし、、自分で

 自分の先生になることが出来、、、自分の音楽が成熟していく。」

 

▲自分の考えがそのまま伝わると思ったら大間違い。 どんな話し方を

 したか、にもよる。 サーモスタット屋時代、私は自分の電話応対を

 録音し、言葉遣いや音声、話の筋立て、毎日チェックしたものです。

 

 改めて気付くことも多く有益でしたが、時間はかかった。 <譜面>

  Rational Process でチェックしてたら、<成熟>も速かったはず。

 

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●大家は練習を怠らない、

 

それも(フライシャーの言う)独自の<形>で。 さて、<問題解決の

プロ>たる皆さん、どんな<形>で<練習>していらっしゃいますか?

 

EM法研修はその<形>を提供する手段の一つですが、受講された方が

それを日常習慣にまでなさったかどうか、実は甚だ怪しい。 たとえば、

 

アンケートに「素晴らしい技法。 もっと勉強して、使えるようになり

たい」なんて書いてあったら? 教祖は喜んだが、講師は喜べなかった。

その手の受講者は、多分<使い手>にはならずに終わったでしょうから。

 

問題解決<する>ための技法なのに、これじゃ<もっと勉強する>ため

Rational Process みたい。 それを使って問題解決<する>ことが

そのまま<勉強>になる、と説いたのに、、 ワカッテくれてないなあ、、

 

 

ゲルバーは前記に続けて、「テクニックを身につけることにあまりにも

熱心なため、テクニックによって何をするかを忘れているからだろう」、

まさに日本人の陥りがちな傾向をズバリ指摘しております。

 

本筋は<何を生み出すか>で、テクニックは枝葉。 テクニックを自己

目的化させては本末転倒です。 そもそも Rational Process は解決を

容易にする技法なのに、それで悪戦苦闘するようでは二重の本末転倒、、

 

そうならずに済ませるには?  「おたすけマン」の活用などいかが?

                          ■竹島元一■

 

    ■今週の<私の写真集から>は、 ★高い壁★

 

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